Buyers.json の規格案とデマンドチェーンオブジェクト(dchain)を本日公開し、意見を募ることになりました。

Buyers.json は、より高い透明性をバイサイドに提供します

John Clyman

9月 3, 2024 | 1 min read

バイヤーがプログラマティックで購入するインベントリは、ads.txt、sellers.json、サプライチェーンオブジェクト(schain)などの透明性実現に向けた取り組みの普及によって透明性が高まってきています。しかし、デマンド側における同様の透明性は、長い間実現していません。弊社は昨年、この隔たりを埋める必要性を強調しましたが、その後のIAB Tech Lab やその他の業界リーダーと幅広く連携を図った結果、 buyers.json の規格案とデマンドチェーンオブジェクト(dchain)を本日公開し、意見を募ることになりました。

これらの新基準により、本業界のバイサイドとセルサイドの間に存在する透明性の格差解消の希望がもたらされます。新基準は、不正広告からの保護や同様の深刻な広告品質違反の防止に大きな役割を果たします。セラーやサイト訪問者、アプリユーザーを保護し、安全なプログラマティック広告の継続的成長を促進するために、弊社では業界全体で buyers.json と dchain について学び、採用を検討することを推奨しています。

進展しないデマンドサイドの透明性

これまで、セラー側の透明性の基準は、DSPやその他のバイヤーにサプライ源を確認し、入札リクエストで提供されたインベントリのサプライチェーン全体を判断することにおいて、また、その情報を取り入れて情報に基づいた購入判断を行い、詐欺や無効トラフィックと戦うという意味で、大きな成功を収めてきました。

しかし、その逆の視点は欠落していました。セラーがリスクと価値について情報に基づいた意思決定を行い、想定外の再版や裁定取引などの行為を監視するには、自社サイトで広告の購買に参加するすべての企業の可視化が必要です。また、広告品質管理ベンダーなどのサードパーティーにとって、透明性の欠如を悪用する不正行為者を特定し、その活動を妨害するには、データが必要となります。

これまで、必要な情報の多くが不透明な状態であったり、非標準的でプログラマティックではない測定不能な方法で伝えられたりしてきました。Buyers.json およびデマンドチェーンオブジェクトは、この業界の誰もが特定の事業体に提供される広告の供給源を追跡できる統一された仕組みを提案します。

具体的には、不正行為者は DSP の特定のシートを介して不正な広告を配信するというシナリオを通常想定します。セラー、SSP、あるいはサードパーティーの品質管理ベンダーは、原因となっている広告クリエイティブは特定できるかもしれませんが、それだけでは実際にこの不正行為の恩恵を受けている事業体は分かりません。そのような広告クリエイティブやバイヤーのシートをブロックしても、不正行為を行なった者は、誰にも気付かれることなく他の DSP に現れます。なぜなら、プログラマティック取引の購入者を明らかにする規格が(DSP 固有のシート識別子を除けば)存在していないからです。

今後の方向性

今は、より高い透明性に向けた道筋が開かれています。Buyers.json は、不透明なシート識別子と実際の事業体を結ぶマッピングを提供します。そのマッピングを補完するものとして、デマンドチェーンオブジェクトが(危険性をはらむ)広告クリエイティブの配信に関与する各種団体を表示し、その供給源まで遡るための支援をします。

IAB Tech Lab では、規格の草案に加え、パブリックコメント募集のため、導入ガイドの草案も公開しました。このガイドは、業界の各種企業が buyers.json と dchain をサポートするために取ることのできる特定の措置に関する洞察を提供するものです。

規格は、採用されて初めて意味を持ちます。弊社では、DSP、ブランド、広告代理店各社の皆様に、この取り組みに加わっていただくことを推奨しています。そうすることで、コンテンツ制作者やエンドユーザーの被害を減らすと共に、研究が示すように広告ブロッカーのインストール増加にもつながるような濫用行為を減らすことにもつながります。また、我々はすべての関係者に対して、今回の活動や、プログラマティック環境の安全と信頼性を強化することのできる透明性に向けた取り組みへの支援のために声を上げて頂きたく存じます。

Magnite は、創業時よりバイヤー側の透明性への取り組みに参画して参りました。弊社では、まずは情報提供を目的とし、 最終的にはセラーが自社コンテンツで提供しユーザー体験に影響を及ぼすデマンドを管理するニーズを満たすことができるよう、 buyers.json と dchain のための弊社独自のサポートを計画しています。皆様のご参加をお待ちしております。

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