パブリッシャーの広告収益最適化につながるテスト&ラーニング・アプローチとは?
日本事務所 シニア アカウントマネージャー Asuka Saito
1月 14, 2025 | 1 min read
ヘッダービディングはパブリッシャーに多くの利益をもたらしました。中でも、より多くのデマンドソースに広告インベントリ(広告在庫)を開放することで、多数の入札者間の激しい競争が可能になり、インプレッション単価(CPM)が上昇しました。
多くのパブリッシャーがデマンドの増加による収益増の恩恵を受ける一方で、ヘッダービディングは無限の広告収益管理の選択を必要とし、負担になることもあります。
こうした重要な選択のひとつに、ラッパー内の入札者数の最適化が挙げられます。それぞれに明確な戦略を持たずに無差別に入札者数を増やすことは、いくつかの問題を引き起こす可能があります。
- デマンドの重複:パブリッシャーは異なる入札者から同じデマンドを得ることになり、入札処理の労力が重複します。
- ページパフォーマンスの低下:クライアントサイドのヘッダービディングにサプライサイドプラットフォーム(SSP)への広告リクエストが多すぎると、ページレイテンシが増加し、広告表示速度が遅くなります。
- リソースの集中:ラッパーと多数の入札者を管理するために、社内チームには日々膨大な作業負荷が発生します。
- デマンドサイドプラットフォーム(DSP)への過負荷:DSPへの入札数が爆発的に増加し、技術インフラに負担がかかります。広告業界のカーボンフットプリント削減が注目されるなか、DSPへの入札数を減らすことは二酸化炭素排出量の削減には不可欠です。
これは目新しい情報ではありませんが、パブリッシャーは長い間、ヘッダービディングラッパーの最適化に関する、意思決定に有益なデータにアクセスするツールを持っていませんでした。
MagniteのDemand Managerは、こうしたギャップを埋めるべく、パブリッシャーが実用的な洞察を通じてヘッダービディングの可能性を最大限に引き出せるようにするうえで、非常に重要な役割を担っています。
具体的に言うと、Demand Managerは、パブリッシャーがPrebidヘッダービディング統合を実装し、シームレスに管理できるよう、いくつかの強力なツールを提供します。これにより、ラッパーパフォーマンスを最適化し、収益率を向上させるための深い洞察を得ることができます。
A/Bテスト:最適なパフォーマンスのためにラッパーを細かく調整する
MagniteのDemand Managerは、開発不要のA/Bテスト機能を提供し、数分で迅速な検証、実装、測定設定を実現します。この機能により、パブリッシャーは、ラッパー最適化の影響を正確に評価するための自由形式テストの実施、検証の設定、複数の同時テストにおける露出率の管理が可能になります。
この先進的なA/Bテストツールは、パブリッシャーがデータに基づいた深い洞察を得ることを可能にし、ラッパーパフォーマンスを最大化するうえで非常に重要です。
パブリッシャーはこの機能で入札者を容易に検証し、アドスタックへの各デマンドパートナーの貢献を評価することができます。Demand Managerの包括的なレポートダッシュボードを介して、インプレッション収益(RPM)を比較し、影響を評価することで、パブリッシャーは情報に基づいた意思決定を行い、広告運用を強化することができます。
スピードと収益の両方を実現するラッパーの最適化
パブリッシャーは、ラッパー設定を検証することで、パフォーマンスと収益の面において大きな成果を得ることができます。
例えば、ある日本のスポーツニュースとライフスタイルを扱うパブリッシャーは、19の入札者の中から最も価値のある入札者を特定するために、Magniteと共同でA/Bテストツールを活用しました。
その結果、収益の90%がわずか10の入札者によってもたらされていることが判明しました。次に、この発見を検証するためA/Bテストを採用し、異なる数の入札者によって生み出された収益を比較しました。検証の結果、このパブリッシャーが元の19の入札者と同じ収益レベルを達成するには、10の入札者を維持することが最適な戦略であることが確認できました。
A/Bテストなどの広告収益管理ツールを使用することで、パブリッシャーは価値の低い入札者をラッパーから排除することができます。この合理化によってラッパーが軽量化され、価値の高い入札者の効率が向上し、収益の増加につながります。
こうした最適化は、入札者のレスポンスタイムを通常平均10%改善し、スピードと収益の向上を図るうえで、ラッパーの細かなチューニングがもたらす具体的な利点を実証しています。
Demand Managerはより効率的なデマンドへのルートを実現します
パブリッシャーは、ラッパー内の入札者の数を細かく調整することで、より効率的なデマンドへのルートを構築することができます。この戦略的アプローチは、パブリッシャーの成長に焦点を当てた適切なテクノロジー、ツール、およびサービスを提供する厳選されたデマンドパートナーとの、より深い生産的な提携へとつながります。
さらにこの方法論は、より広範なアドテクノロジーのエコシステムにとっても利点となります。意識的でデータに基づいた意思決定を行い、量より質を優先することで業界は技術インフラの負担を軽減することができます。この転換は広告業界における二酸化炭素排出量の削減に向けた一歩となるでしょう。これは、持続可能性を重視するブランドや広告主からの広告費獲得を目指すパブリッシャーにとって重要な検討事項です。
昨今の状況は、パブリッシャーがヘッダービディングにおいて優れた成果を上げるために、「テストして学ぶ」という姿勢を取り入れる絶好の機会です。Demand Managerの先進的なツールと機能を活用することで、広告収益管理を成功に導くことができるのです。
Tags: Demand Manager, Header Bidding, Japan
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